moonman in da 4.5畳

▼今回取り上げるのは、2015年6月発行のエッジコミックス【イトウさん/冥花すゐ】です。

★裏表紙のあらすじ

毎週火曜の夜、娼夫・キョウスケのもとに通い
夜明けまで他愛のないことを語り、帰ってゆく謎の男“イトウ”。
ある日、アタッシュケースに一杯の札束を持って
「仕事をやめて好きなことをしてほしい」とキョウスケに手渡そうとするが…。
闇社会に鮮血と硝煙の舞う、美しきノアール・コミックの旗手、
“冥花すゐ”初のBL単行本で登場！！

★おいらなりの要約

“組織”の殺し屋＜イトウ＞と、娼夫・キョウスケ。自分の生に執着の薄かったふたりが恋に落ち、共に生きる未来を掴もうと、“組織”からの無謀な逃避行を続ける話。

★以下雑感
・イトウさん(攻)が「いつもネクタイのセンスがヘン」なのではなく「とあるヘンな柄のネクタイをいつも着用」してることを、僕たちはまだ知らない。(1頁め時点)

・娼妓が、優しい客に、ベッドで思いがけず翻弄されてる姿って、なんでこんなにも有り難いんだろ…もうこの萌え拾ってくれただけで100万点(；∀；)つ|1,000,000]

・キョウスケ(受)、管理売春組織の一員ぽいのに(しかもかなり人気ある)、一見のあんなヤバい客ついたり、そいつらのこと上に報告してるのに制裁下ったような描写がない(イトウさんが個人的に全員抹殺してるかもだが)こと考えると、「ママ」の売春組織はそんなに力があるわけでもなく、バックに犯罪組織とかがついてるわけでもないらしい。

・と思ったらやっぱりママを通してもヤバい客からご指名入りました〜! しかもまたキョウスケがNGにしてる複数客だし…この街じゃそれだけウリが軽んじられてるってことかね…。

・イトウさん、ついに本業の凄みを…見せすぎ(；∀；)　血の雨は室内の方が降らせやすいというわかりやすい図解である。

・しかしこれ、キョウスケの立場なら恋に落ちざるを得ない…ッ

・イトウさんが左手で握ってる携帯電話に、現世への未練とか、キョウスケへの僅かな期待とかがこめられてる気がして、きゅんときた…////

・ママがあっさり売れっ子のキョウスケ手放すとこから考えても、やはり相当緩い組織らしい。もしかするとママは半分ボランティアみたいな感じで、一応の組織つくってウリの子ら守ってる(全く守れてないが)のかも知れない。それか、売れっ子とはいえ男娼の売り上げなんざ、人気娼婦に比べたら安いもんだから、辞めるならご勝手に、くらいのもんなのかなぁ。

・イトウさんが来てくれたことがただただ嬉しいキョウスケと、全く自分を怖れていないキョウスケに驚くイトウさん。このシーンいいなぁ…。このイトウさんの反応から考えると、キョウスケが発見するとわかっててあんなはっちゃけた殺し方したのも、キョウスケを自分の世界から遠ざけなきゃと思ってたからなんだろうな…。

・イトウさんがキョウスケに買ってきた服の柄、まんまイトウさんの目みたいで彼の執着心の表れなのかもだが、ただただおかしい(；∀；)

・イトウさんは発射直後に弾道をＶ字軌道にすることができるようだ…さすが最高傑作(；∀；)гV

・キョウスケが、あんな夢見ちまうくらいの過去を抱えて、フツーに生きて恋もして、怒ったり焦ったりもする、ってとこに、彼の強さを感じるんだな〜。

・BL漫画で今だかつて見たことがない量の札束と金インゴットの山に、テンションぶちあがる！！

・この、隠し財産エピソードがあるとないとじゃ、イトウさんがキョウスケに恋をしてて、恋のために同胞を裏切るような人なんだ、って説得力が、まるで違う気がする。イトウさんが、自分の心の証明のために、組織に隠し財産の在処を黙ってるような人間である、という部分で…。

・思いが通じあっての、ビニールコーティング札束ベッドシーン…ほんとこんな濡れ場(物理)見たの初めて…(；∀；) 　ここでのイトウさんの台詞は、彼とボスの過去を想像させるものでもあるし、乱れるキョウスケもかわいいしで、控えめに言っても最&高。

・イトウさん、髪白く描いてあるし、下睫毛バサバサで背ぇ高いし、暗殺組織の一員だしで、仕事で来日してる西洋系の人かと勝手に思い込んでたんだが、日本の偽造パスポート用意してるってことは日本人(として割と簡単にスルーされそうな見た目)なのか…！ いやそりゃそうだよな、西洋系の暗殺者なんて日本じゃ目立ってしょうがないもの…(；∀；)

・追手をしつこく差し向けたり、キョウスケ殺そうとしてまでイトウさんを取り戻そうとしてたボスが、最後、どうしてあんな風だったのか、その理由はきっと、現在OPERA本誌でやってるらしい過去編で解き明かされることでしょう。コミックス発売が今から待ち遠しい…！

・この終わり方、わたしは好きです。

・同時収録は地味な先生x人気者の生徒会長の、SMというか主従というかの、結構ハードな話。表題作の方もそうだけど、わたしにとっては、今までBL漫画で見たことなかったもの(拘束衣＋チェーンソーとか)を見せてくれる冥花すゐ先生には、今後も注目していきたいです。


★本体価格648円の勝手な内訳
・殺し屋x娼夫もの：300円
・隠し財産描写によるテンションUP効果：100円
・イトウさんの魅力(タイトル込み)：100円
・キョウスケの、仕事のときとは明らかに違う、イトウさんだけに見せる乱れ方：108円
・話の終わり方(同時収録の読み切りの方も含む)：40円